日本ヘラブナクラブ

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2014年4月19日

生野銀山湖のワカサギ増殖事業

IMG_7756人口孵化器で孵化大成功。

秋には新たなアイドル誕生!?

 

元気に育て、生野銀山湖のワカサギ!


関西エリアでもプチ・ブームの兆しが見え始めたワカサギ釣り。

NHCのホームページで何度か紹介しましたが、2014年は奈良県の津風呂湖が復活し、布目ダムや上津ダムもそろって好調だったことから、関西では奈良県の釣り場がクローズアップされました。

そしてこの春、兵庫県朝来市にある生野銀山湖でもワカサギの人工孵化器を導入し、増殖に取り組んでいます。

「そろそろ孵る時期かな?」というタイミングで4月17日に見に行くと、「すでに遅し・・・」でした。暖かい日が続いたことで、前日にほとんど孵化は完了してしまいました。

うじゃうじゃと仔魚がうごめくところは撮影できなかったけれど、バッチリとワカサギの赤ちゃんたちは孵化器からホースを伝って湖に放たれたので、メデタシ、メデタシ。

孵化器の中にまだ残っていた仔魚をすくって撮影用のアクリルケースに入れて撮影しましたが、魚体が透明感のある白なのでなかなか上手く撮影できません。小さいといっても3mmほどあるので肉眼ではしっかりと見えるんですけどね。

今回の放流量は1,500万粒。秋までの歩留りなのか今から気になります。



水産多面的機能発揮対策事業による放流

今年から始まった銀山湖のワカサギ増殖事業は漁協が行っているものではありません。水産庁の新規事業『水産多面的機能発揮対策事業』として実施されています。

兵庫県下で取り組んでいるこの水産多面的事業は、兵庫県内水面漁場管理委員を務める酒井信由喜さんたちが設立した『兵庫県の釣りと文化を守る会』と、淡路市、西脇市、朝来市、神河町の4市町との共同プロジェクトです。IMG_7755

自治体と一緒にプロジェクト案をまとめて水産庁へ申請し、認可された事業なのです。

前述の4市町ごとに実施内容は異なり、朝来市は生野銀山湖でワカサギの増殖事業を3年計画で行います。

このワカサギ増殖事業にかかる費用は国からの予算で賄われます。年間150万円の予算は、人工孵化器とワカサギの活魚卵(発眼卵)の購入などに充てられました。

漁場管委員の酒井信由喜さん、生野銀山湖レンタルボート湖畔のオーナー・秋山浩之さんともにヤル気満々。あちこちにワカサギ増殖の研修に出かけ、初年度でワカサギの孵化に成功しました。

当初の計画では兵庫県の水産試験場で孵化させ、銀山湖まで仔魚を陸送する予定でしたが、諏訪湖漁協が提供している人工孵化器が安価で入手できたため、自分たちでチャレンジすることにしたそうです。

銀山湖には大きな桟橋とたくさんのレンタルボートがあるので、うまくワカサギが育てば津風呂湖と同様に注目されそうですね。

現在、関西でワカサギのボート釣りが楽しめるのは布目ダムと津風呂湖の2ヵ所だけですが、これに生野銀山湖や京都府の日吉ダムあたりがワカサギの増殖に成功すれば関西のワカサギ釣りもさらにおもしろくなりそうです。

まぁ、ワカサギは孵化してから成長過程の方が実はたいへんなのであまり煽りたくはないのですが、銀山湖、日吉ダムともにワカサギの自然繁殖は確認されているので期待はもてそうです。

NHC事務局もワカサギのことばっかり頑張っているとヘラ師の皆さんに怒られそうですが、サギ師の世界もなかなか面白いですよ(笑)。(事務局K)



水産多面的機能発揮対策事業とは・・・。

水産庁が平成25年から取り組んでいる新規事業です。

水産業は水産物を安定して市場へ提供するだけでなく、さまざまな役割を担っています。

たとえば国境監視や海難救助をはじめ、多面的機能が国民を守るために発揮されているのです。

また、さまざまな文化の継承や、水辺の環境保全にも水産業は密接に結びついています。

詳細は水産庁のホームページにUPされているのでご覧ください。要するに漁業者の高齢化と漁村人口の減少で、 水産業の多面的機能が損なわれつつあるための支援策です。

この事業の予算は平成25年度だけで35億円。沿岸部の漁業が中心なんですが、 内水面も含まれるそうです。



<水産庁ホームページ:水産多面的機能の解説>

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⇐水産庁が発行してる

『水産業・漁村の多面的機能』

のパンフレット(pdf)







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▲ハード面はバッチリと整っている生野銀山湖。


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▲左から、レンタルボート湖畔のオーナー・秋山浩之さん、大阪府の漁場管委員・藤枝喜市さん、兵庫県の漁場管委員・酒井信由喜さんです。この他、酒井さんと同じく兵庫県の漁場管委員を務められているカツイチの中川社長を含め、銀山湖のワカサギ増殖に取り組んでおられます。かなり熱いメンバーです。

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▲諏訪湖で開発された人工孵化器です。ほとんどが塩ビのパイプで、ヨド物置に収納されています。芦ノ湖で開発されたものと比べると簡易なシステムですが、こちらの方が安価です。

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▲アクリルだと卵の状態をチェックしやすいのですが、諏訪湖のタイプは塩ビなので上から懐中電灯を照らして覗き込みます。秋山さんは孵化器に卵を投入してから毎日最低2時間は「覗きのオッサン」になるそうです。(笑)

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▲見えますか? ワカサギの赤ちゃん。
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▲筒の中に法道寺谷から引いたフレッシュな水を送り込みます。
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▲孵化した仔魚は筒の上部から水と一緒に流れ出て、ウォータースライダーのごとく湖へ流されます。
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▲諏訪湖からはこのような状態で卵が届きます。すでに卵の粘膜を取り除き、発眼卵と死卵を選別した活魚卵です。第1回目の孵化が完了し、この日は2度目の卵投入です。
IMG_7770卵を包んでいた布ごと卵を持ち上げ、水を張ったバケツに移します。 






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▲卵を容器ですくって筒に投入し、筒の中で卵がうまく拡散するように水流を調整します。

2014年4月19日 20:08