日本ヘラブナクラブ

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2018年7月15日

アメリカナマズ釣り大会 報告

RIMG8284アメナマを知る・釣る・食べる!

3年目の釣獲調査釣り大会。

 

◎ 開催日:2018年7月14日(土) / ◎ 会場:布目ダム(奈良県山添村)


<主催>

布目川漁業協同組合/JOFI 奈良(釣りインストラクター連絡機構)/NPO法人日本へらぶなクラブ


<後援>

奈良県/独立行政法人水資源機構 木津川ダム総合管理所 布目ダム管理所/奈良県漁業協同組合連合会/一般社団法人 全日本釣り団体協議会/公益財団法人日本釣振興会近畿地区支部


<協力>

近畿大学 農学部 環境管理学科・水産学科/株式会社TSJ(認定鳥獣捕獲等事業者)/農楽の宿(のらの宿)


<協賛>

がまかつ/サンライン/スミス/ハヤブサ/バレーヒル・谷山商事/

HMKL/プロックス・大阪漁具/マルキユー/モーリス/


【イベント参加人数 100名】

◎ 釣り大会参加者:56名(一般:31名/ヒューマンフィッシングカレッジ:15名/近畿大学:10名)

◎ 近畿大学(釣り大会参加者含め22名)/JOFI奈良(7名)/日本へらぶなクラブ(2名)/株式会社TSJ(2名)/奈良県農林部農業水産振興課(3名)/奈良県漁業協同組合連合会(1名)/布目川漁業協同組合(7名)/独立行政法人水資源機構(5名)/山添村観光協会(1名)/奈良テレビ(1名)

※釣り大会に参加していない一般参加者・スタッフを含めると総勢約100名でした。

 

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布目ダムで繁殖しているチャネルキャットフィッシュ(通称アメリカナマズ)。

この外来ナマズは貪食で生態系への影響が心配されています。

東日本では利根川や霞ヶ浦水系をはじめ、生息域を拡大していますが、関西ではまだ見慣れぬ魚。

西日本では琵琶湖・淀川水系と島根県の一部で生息が確認されているだけです。

RIMG8279同じ特定外来生物に指定されているブラックバス(ラージマウスバス)やブルーギルよりも河川環境への適応能力が高く、布目川の下流域にある木津川や淀川でも確認件数が増えてきました。

今後どのような影響があるのかはまだ未知数です。

この魚のことを多くの方に知ってもらい、現状を把握するために、2年前からこの釣獲調査(アメリカナマズ釣り大会)を実施しています。

「釣り大会」としたのは、水辺に接することが多い釣り人に関心を持ってもらい、調査に協力してもらうためです。

今回で3年連続3回目となりました。アメリカナマズの実態調査に取り組んでいる近畿大学農学部(環境管理学科・水産学科)の全面協力を得て、今回も布目ダムに関係する各団体、釣り人の団体が一緒になって開催することができました。


 

RIMG8255酷暑の中、約30匹の釣果あり。

優勝は72cmを釣り上げた船屋 秋太郎選手!

 

猛暑日となった当日、釣り大会には56名がエントリー。

夏場に強いアメナマですが、ここまで暑いとやはり水通しがよい場所に集まっていたようです。

今回の最大魚は、布目ダムの最上流部(副ダムの川筋)で上がった72cm。

ヒューマン生の船屋 秋太郎選手が鳥キモで釣り上げて優勝!

準優勝の南 英樹選手もエリアは副ダムでした。

副ダムは定期的に浚渫のため水を抜き、魚影は薄いのですが、本湖よりもサイズが上回りました。

釣果は全体で30匹。今のところ霞ヶ浦のような爆発的な繁殖は見られないものの、大型から幼魚まで釣り上げられ、再生産が繰り返されているようです。

夜間に活発な摂餌行動をとる魚だけに、炎天下の日中にこれだけの釣果が上がるということはかなりの生息数がいるといえるでしょう。

参加した選手の皆さん、釣獲調査にご協力いただき、ありがとうございました。


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第3回 アメリカナマズ釣り大会 成績(1匹長寸競技)

 選手名体長 
優勝船屋 秋太郎72.0cm副ダムの川筋(B & G下)
準優勝南 英樹54.0cm副ダム桟橋
3位鈴木悠理47.0cm 
4位山口達成39.0cm 
5位藤田 衛37.0cm 
6位高瀬健一郎35.0cm 
7位前田諒子32.5cm 
8位服部美樹25.0cm 
9位神谷太一12.5cm 

◎ 検寸した選手は9名でしたが、1人で複数匹を釣り上げている人もいました。 

釣果は全体では約30匹でした。




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■ 今年も大好評! クッキングコーナー

 

アメリカナマズは食用として移入された魚です。

『美味しい』ことも知ってもらおうと、今回もクッキングコーナーを設けました。RIMG8311

協力いただいた株式会社TSJさん(認定鳥獣捕獲等事業者)と農楽の宿さんはプロのハンター。ジビエ料理にも精通しています。

ジビエとは野生の鳥獣を意味するフランス語。ここ数年は増えすぎた野生動物の活用法として注目を集めています。

繁殖したアメナマの有効利用にも通じるところがあり、腕前を奮っていただきました。

そして、近畿大学から料理を得意とする学生さんたちが『調理班』として応援に駆け付けてくれました。

猛烈な暑さの中でしたが、フィッシュ & チップス100人前が人間の胃袋の中に消えました。

(やっぱりアメナマ以上に人間は恐るべし!?)

アメリカ内陸部ではポピュラーな魚食材になっているアメリカナマズ。

釣りをすることで少しでも個体数を減らすことができればいいのですが・・・。

アメナマ釣り、人気が出るのかな?


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要注意!

アメナマを扱うときは胸ビレと背ビレにご用心。
ギザギザの棘があります。



RIMG8325■ アメナマの生態調査に取り組む近畿大学

今回は近畿大学農学部環境管理学科の河内香織先生をはじめ、アメナマの調査研究に取り組む学生から報告がありました。

調査が進むにつれてその食性や行動範囲が少しずつ明らかになってきたそうです。

腸の内容物は時期や場所によってさまざまで、今大会で釣り上げられた54cmの個体からは体長よりもはるかに長いヘビをはじめ、クワガタなどの陸生昆虫が出てきました。


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恐るべし大食漢。アメナマの食性を調査している環境管理学科の小林 誠さんからは生態系に関する興味深い話を聞くことができました。


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また、水産学科では個体に電波発信機を取り付けて行動を追跡したり、生殖などの研究もしています。

同科の杉本史郎さんからは行動範囲についての調査報告がありました。

アメナマは回遊魚だけれども、行動範囲はあまり広くないとのこと。狭いエリアをぐるぐる泳ぎ回っている傾向があるようです。

現在、JOFI奈良も協力して、この夏から標識放流を実施しています。

当日の優勝魚(72cm)もタグを付けて再放流しました。

まだまだ謎が多いアメリカナマズ。調査研究はこれからも続きます。



 

RIMG8316■みんなで外来魚のことを考える機会になれば・・・。

 

3回目のアメナマ調査も、釣り大会として楽しく開催することができました。

ひと口に外来魚と言っても、ブラックバスのように釣り愛好者が多い対象魚もいれば、ブルーギルやアメナマのような不人気だけど繁殖力が強い魚種もいます。

また、布目ダムに放流されている魚(ヘラブナ・ワカサギ・ニジマス)はすべて元から生息していなかった魚種です。

内水面漁業(淡水の釣り)と外来魚は切り離して考えられないのが現在の釣り場環境です。

在来種を守りたいと多くの人は考えている一方で、外来魚によって成り立っている内水面の釣り。

実際に現場で外来魚と接している漁業関係者や釣り人の中にも、答えが見つけ出せない人も多いのではないでしょうか。

今年もいろんな立場の人が集まる中でこのイベントを開催することができました。

外来魚のことを考えるいい機会になればと思っています。(NHC事務局 K)


2018年7月15日 17:06