日本ヘラブナクラブ

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2018年2月 9日

渓流釣りの未来を考える

P2020123日釣振のシンポジウム。

親魚放流という新たな増殖法。


◎主催:(公財)日本釣振興会・環境委員会

◎平成30年2月2日(金)/ 於:インテックス大阪

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P2020126フィッシングショーOSAKAの業者日に合わせて、日釣振主催のシンポジウムが開催されました。

そのテーマは、

<渓流釣りの未来を考える>

~ヤマメ・アマゴ親魚放流の可能性を探る~

です。



『親魚放流』とは、自然の河川で産卵させることを目的とした親魚の放流です。

釣り人に釣らせるがための成魚放流とは目的が異なります。

自然環境を利用した半人工・半自然増殖法といえるでしょう。

研究ではオスとメスを一緒に放流しているところも多いようですが、川にオスがいるなら抱卵したメスだけ放流しても交配するそうです。

放流された親魚は自分で産卵に適した場所を探すので、健康な親魚さえ入手できれば発眼卵放流よりも難しくないとのことでした。

P2020140今回のシンポジウムでは、親魚放流の研究者、親魚放流の実用化に向けて取り組む水産試験場や漁業関係者から、データを基にしたいろいろな話を聞くことができました。

この方法で育った魚はほぼネイティブなのでクォリティが高く、歩留りが高いという調査報告もありました。

そして、コスパに優れているのです!

どの河川でも同じ結果になるとは限らないでしょうが、今後の渓流魚放流の主流になる可能性は十分にありそうです。



今回のシンポジウムをまとめたDVDを日釣振が無料配布!

↓ 親魚放流に興味がある方はお申込みを!

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旧態依然とした漁業規則が内水面の釣り場環境整備の障害に!


渓流魚の放流方法はこれまで大きく分けて次の3つでした。

1)稚魚放流

2)成魚放流

3)発眼卵放流

さらに今回のシンポジウムのテーマとなった『親魚放流』が新たな放流方法として注目され始めました。

今回講演いただいた先生方は、

「理想は渓流魚の再生産(自然繁殖)」と何度も口にされていました。

しかし、そのためには採捕の規制も不可欠とのことでした。

漁業調整規則において体長制限や禁漁期間が決められていますが、それだけでは不十分とのこと。

キープ数を減らしたり、禁漁期前に親魚をキープしないなど、釣り人の自主規制の話も出ていました。

漁業調整規則の体長制限は小型の個体をキープさせないための規制ですが、実は産卵に入る親魚を守ることも大切だそうです。

さまざまな漁業に関する規則の内容が昔のままで、最新の研究データが反映されていないケースがあることは残念です。

古い規則が内水面の「釣り場環境整備の障害になっているのです。

漁業権免許を取得している組織(漁協など)に課せられている義務放流に関しても、一番効率がわるい稚魚放流しか認めていない地域もまだまだあるのです。

親魚放流どころか、発眼卵放流でさえも放流したことにならないという漁業従事者泣かせの規則も残っているのです。

釣り人(遊漁料収入)が減少する中で、いかに効率よく水産資源を増やすことができるのか。

それは渓流だけではなく、内水面の釣り全体の課題だといえることでしょう。


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海と淡水の釣り愛好者の比率は6:4。

潜在的釣りファンは淡水の方が多いことに驚き。

 

今回のシンポジウムの最後にパネルディスカッションがありました。

その中で、海釣りと内水面の釣りをする人の割合が6:4と聞き、少し耳を疑いました。

さらに潜在的釣りファン(釣りをやってみたいなと思っている人)は淡水の方が多いという話もありました。

私が思っていた以上に淡水の釣り人口が多くてびっくりです。

内水面の釣りを取り巻く環境はとても厳しいのですが、よりよい釣り場を残していくために何をすべきかを考えさせられるシンポジウムでした。(事務局 K)




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2018年2月 9日 19:54