日本ヘラブナクラブ

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2017年7月22日

アメリカナマズ釣り大会 報告

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アメナマを知る・釣る・食べる。

布目ダムで釣獲調査を実施。

 


◎ 開催日:2017年7月15日(土) / ◎ 会場:布目ダム(奈良県山添村)


<主催>

布目川漁業協同組合/JOFI 奈良(釣りインストラクター連絡機構)/NPO法人日本へらぶなクラブ


<後援>

奈良県/独立行政法人水資源機構 木津川ダム総合管理所 布目ダム管理所/奈良県漁業協同組合連合会/一般社団法人 全日本釣り団体協議会/公益財団法人日本釣振興会近畿地区支部/日本バスクラブ


<協力>

近畿大学 農学部 環境管理学科・水産学科/奈良県立高円高等学校家庭調理部/山添村地域おこし協力隊


<協賛>

カツイチ/がまかつ/サンライン/ジャッカル/上州屋/スミス/ハヤブサ・FINA/バレーヒル・谷山商事/HMKL/プロックス・大阪漁具/ベイトブレス/マリンコンパニオン/マルキユー/モーリス/ラインシステム


【イベント参加人数 83名】

◎ 釣り大会参加者:42名(一般:23名/ヒューマンフィッシングカレッジ学生:19名)

◎ 近畿大学(10名)/奈良県立高円高等学校(5名)/JOFI奈良(14名)/日本へらぶなクラブ(3名)/奈良県農林部農業水産振興課(2名)/奈良県漁業協同組合連合会(1名)/布目川漁業協同組合(2名)/独立行政法人水資源機構(2名)/山添村地域おこし協力隊(2名)

※釣り大会に参加していない一般参加者を含めると総勢約90名でした。



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布目ダム湖の広範囲で生体を確認。

ダム下流域へも生息域を拡大か!


琵琶湖・淀川水系で繁殖中のチャネルキャットフィッシュ(通称アメリカナマズ)。

この外来ナマズは食欲が旺盛で繁殖力が強く、2005年に特定外来生物に指定されました。

東日本では利根川の流域を中心に1990年代後半から急激に生息域を広げました。

西日本では琵琶湖・淀川水系と島根県の一部で生息が確認されているだけです。

布目ダムでこのアメナマが話題になりはじめたのは2010年ごろ。

その数年前からバスフィッシングのルアーに掛かりはじめました。

RIMG52052007年の布目ダムにおける『水辺の国勢調査』でアメリカナマズの生息が確認されていることからも、このダムに入って少なくとも10年が経過しています。

2012~2013年ごろから急激に繁殖したのか、このころから小型のアメナマがヘラブナ釣りの仕掛けによく掛かるようになりました。

アメナマはとても環境適応能力が高く、湖沼から河川、水路まで生息域はかなり広範囲に及びます。特に河川ではハゼ釣り場となる汽水域からアユ釣り場となる中上流域まで適応できます。

布目ダムではすでに稚魚から80cmクラスの成魚まで生息していることからすでに定着しているといえるでしょう。

今後の懸念材料はダム湖から下流域への拡散です。ダム湖内に封じ込めるのは現時点で難しく、ダムの取水口から流出したと思われるアメナマがダムサイトの下流でも確認されています。



 ■ 新たな外来種のことを多くの人に知ってもらいたい。

RIMG5178アメナマの生息水域はまだ限られているので、『これ以上、生息域を広げない』ことも今後の大きな課題です。

そして、布目ダムのような小規模のダム湖でアメナマが繁殖した場合に生態系へどのような影響を与えるのか。

このダムにはヘラブナやワカサギなどの漁業権魚種が放流され、それらの釣り対象魚への影響も気になるところです。

今回のイベントに協力していただいた近畿大学農学部環境管理学科・水産学科では、アメナマの行動範囲を追跡したり、食性や生殖器などの調査・研究を行っています。

関西ではまだまだ知られていない新たな外来種だけに、まずは実態調査を行い、多くの人にこの魚を知ってもらおうと、昨年に続いてこの釣獲調査釣り大会を実施しました。




 第2回 アメリカナマズ釣り大会 結果 

 釣り大会の総釣果は15匹。58.5cmを釣り上げた浅井庸介選手が優勝!

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第2回 アメリカナマズ釣り大会(釣獲調査)TOP10
順位選手名全長
1浅井庸介58.5cm
2小澤史門52.5cm
3城 圭克49.0cm
4佐藤 健45.5cm
5オオガマ42.0cm
6松浦祐樹39.0cm
7高橋弘一39.0cm
8花野誠次37.5cm
9吉川蒼都36.5cm
10吉川駿麻36.0cm


RIMG5231昨年は全体で3匹の釣果でしたが、今年はインストラクターの釣果を含めると約20匹のアメナマを釣り上げることができました。 

大会は1匹大物勝負。優勝の浅井庸介選手はヘラブナ釣りが大好きなNHCメンバー。この日が初めてのアメナマ釣りでしたが、コスモス広場のボートスロープ付近で最長寸の58.5cmを釣り上げました。釣り方は中通しオモリを使ったブッコミ釣り。 

今年はコスモス広場が大会本部で、ほとんどの選手が会場周辺でアメナマを狙いました。 

昨年は副ダム(上流)が会場で、コスモス広場は本湖の下流域に位置します。 

コスモス広場周辺は大型が少ないのですが、コンスタントに釣れるポイントです。 

大会当日も平均40cmクラスが広範囲で上がり、一人で複数匹釣り上げた人もいました。 

釣獲調査を続けているJOFI奈良のメンバーによると、大型の実績があるのは本湖の上流エリア。 高水温期には溶存酸素が多いエリアを好む傾向が強く、水通しのよい場所や流れが当たる場所が好ポイントとのことです。 

エサは鳥キモやサバの切り身を使う人が多かったけれど、釣り上げたブルーギルをエサにした人もいました。 

仕掛けはシンプルなブッコミ釣りでOK。オモリが一番下にあるダウンショットや胴突き仕掛けも実績があります。 

ヘラブナ釣りのウキ釣り仕掛けにもよく掛かるし、生きた小魚をエサにした泳がせ釣りは大型狙いに効果的。 底生の動植物が主食だけれど、エサが底に着いていない中層を狙っても釣ることができます。 

また、昨年よりも釣果が上がったのは、開催時期の違いにあるかもしれません。 

昨年は6月11日、今年は7月15日が開催日。5~6月中旬よりも 6月下旬~7月に入ってからの方が釣りエサへの反応がよくなりました。 昨年も春~初夏よりも、夏から秋にかけて釣果が上がりました。 

霞ヶ浦水系ほどアメナマの密度は高くありませんが、布目ダムにもかなりの生息数だと思われます。 ただ、ワカサギやヘラブナは年によって釣果ムラがあるものの、ここ数年は順調に育っています。 

今のところ大きな漁業被害はありませんが、今後も経過観察が必要でしょう。 


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手軽に大物が狙え、食べて美味しいアメナマ釣り。この先、人気は高まるのでしょうか? 



 ■ うきうきウキ釣り体験教室は大漁でした! 

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今回は漁協からの要望もあって、子どもたちを対象としたウキ釣り教室を開催しました。 

ブルーギルがず~っと入れ食いで子どもたちは大満足。 

インストラクターはヘトヘトでした。(笑) 






 ■ アメナマ・クッキングイベントは大好評! 

  (協力:奈良県立高円高等学校家庭調理部)


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釣って食べよう、アメリカナマズ。

この魚はもともと食用のために移入された魚で、原産地のアメリカではポピュラーな食材です。

その美味しさを知ってもらおうと、今回は地元の奈良県立高円高等学校家庭調理部のメンバーが調理の実演をしてくれました。

料理のベースはフライと唐揚げ。たくさんあったサンドイッチや南蛮漬けがアッという間に参加者の胃袋に消えました。

参加してくれた子どもたちも美味しそうにアメナマを食べてくれましたよ。

アメナマは雑食で大食漢ですが・・・、やっぱり人間の食欲は恐ろしい !?(笑)

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ワカサギなどと同じように、釣って食べることが定着してほしいですね。


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高円高等学校のみなさんが腕をふるってくれました!


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見ごとな包丁サバキでアメナマを解体するJOFI奈良の駒井さん。

骨が硬いので、よく切れる出刃包丁と丈夫なキッチンバサミがあると便利です。

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 アメナマの調査・研究発表。その生態が少しずつ解明! 

  (協力:近畿大学農学部環境管理学科・水産学科)


RIMG5215近畿大学農学部環境管理学科・水産学科の2つの学科でアメナマの生態調査を進めています。 

アメナマのサンプルを毎月捕獲し、食性などさまざまなデータを収集している農学部環境管理学科の小林 誠さん(学士4年)が布目ダムの環境や、アメナマの生態などを解説してくれました。 

腸の内容物は季節や場所、個体差が大きく、ドングリを食べているものから、小魚や共食いしているものまでさまざまだそうです。藻類や水生昆虫が占めている割合が高く、今後も毎月調査を継続していくとのことでした。 

今回は水産学科の小林泰尚先生に参加していただきました。小林先生は生殖器研究の専門家で、アメナマの生殖器は捕獲する場所などによってその成熟度に個体差あるそうです。 
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小林先生の研究では、普段は魚を効率よく増やすための研究をしているそうですが、増やさないことも可能だとのことでした。 

また、水産学科では布目川(ダム下流)のアメナマとコクチバスに電波発信機を取り付け、魚の行動範囲を調べています。 

今のところ、コクチバスは何kmも移動しているそうですが、アメナマの移動範囲はそれほど大きくないそうです。 

近畿大学の本格的なアメナマ研究はまだ始まったばかり。 

先生や学士たちのこれからの活躍に期待したいですね。 

 


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ご協力ありがとうございました。

今回もたくさんの方にご協力いただき、アメナマ釣獲調査を実施できました。

自治体や漁業関係者、ダムの管理者、研究機関の方々など、いろんな立場の方と一緒になって外来魚や水辺の環境を考える機会となりました。

ご協力いただいた関係各位に感謝致します。

内水面の漁場(釣り場)管理は、外来魚問題だけではなく、釣り場環境の悪化や釣り人の減少、管理者の高齢化など、さまざまな問題を抱えています。

よりよい釣り場環境を残していくために、地域の方々と協力しながら、釣り人ができることを考えていきたいと思います。(NHC事務局 岸)


2017年7月22日 12:20