日本ヘラブナクラブ

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2016年5月26日

10年後の釣り界

IMG_1921これからの10年はかつてない

釣り人減少時代を迎えます。

 

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このデータは、先月下旬に和歌山県内水面漁連にていただいた資料です。

和歌山県下における年齢別のアユ釣り人口の推移を表しています。

ヘラブナ釣り人口も恐らく大差がない曲線を描くでしょう。

日本の内水面遊漁を牽引してきたアユ釣りがこの現状ですから、やはりこの先が心配です。

アユやヤマメ・アマゴなどの渓流漁、ワカサギ、ヘラブナなどの釣り対象魚は放流によってその資源量をキープしてきました。

だから、釣り人口減に伴う遊漁料収入減は釣り場環境整備の点で大きな痛手です。

次のグラフは遊漁券(年券)の発行枚数の推移をまとめたものです。

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和歌山県はアユ釣りのメッカですが、平成5年ごろと比較すると年券の発行枚数は半減しています。

平成初期はバスフィッシングブームで若い釣り人がルアーフィッシングに流れました。

そのバスフィッシングファンもブーム当時は「若者の釣り」というイメージがありましたが、やはり高齢化は進んでいます。

アユ釣り、ヘラブナ釣りに共通して言えるのは、『若年層の釣り人口が少ない』ということです。

少子高齢化だけでなく、失われた10年、いや20年という経済不況も、20~30歳代の釣り人減少に関わりは深いでしょう。

そして、いくら釣りファンが多かった時代でも、ほとんどの釣り人は75歳前後までに釣りをリタイヤしてしまいます。

現在の釣りファンのボリュームゾーンである団塊の世代が釣り竿を持たなくなるまであと10年です。

釣りファンが減少しても釣りという遊びは不滅でしょうが、釣り場が荒廃してしまえば釣りファン減少にさらに拍車がかかります。



釣り界が取り組まなければならないことは、

<1> 釣り場環境整備の効率化

<2> 若年層の釣りファンを育てる環境作り

この2つが大きなテーマになるでしょう。

<1>の『釣り場環境整備の効率化』には、実はやるべきことが山ほどあります。

予算をかけている割に実を結んでいない放流がその筆頭です。

せっかく放流した魚がダムから落ちたり、カワウの食害に合っているケースも少なくありません。

漁業権に基づく義務放流量をクリアすることだけを考えている漁協では、良好な釣り場環境を維持することは難しいでしょう。

これは内水面漁業関係者だけでなく、釣り界にも言えることですが、あまりにも魚や釣り場の研究不足、保護増殖に関するデータ収集不足です。

これから先、十分な放流予算を準備できなくなるのは明らかなのですから、効率の良い保護増殖方法を探っていかなければ釣り場環境の保全はできないでしょう。

そして、『釣り場環境整備の効率化』が遅れている最大の要因は、

内水面漁業関係者、水域を管理する国交省関係者、釣り場のある自治体、研究者、釣り業界、釣り人の団体の連携不足です。

ここ最近は釣り業界団体も環境整備に力を注いでいますが、まだまだ釣り場を管理する方々や地元とコンセンサスが得られた釣り場整備ができているようには見えません。



■あらゆる立場の人と釣りの将来を考えていく時代

2016ナマズ釣り大会案内(表jpg)_thumb6月11日(土)に開催を予定している『アメリカナマズ釣り大会』は、布目川漁協とJOFI奈良(釣りインストラクター連絡機構)、NHCの3団体が主催者です。

ダムを管理する(独)水資源機構布目ダム管理所に後援をいただき、生態調査面では近畿大学農学部環境管理学科の皆さんにご協力いただけることになりました。

実釣面では釣り専門教育機関である総合学園ヒューマンアカデミーフィッシングカレッジが全面協力。

調理面では奈良県立五條高校賀名生分校の家政科に所属する皆さんが腕を奮ってくれます。

アメリカナマズ釣り大会は外来魚問題を考える機会になればと企画したイベントですが、あらゆる立場の方々と一緒にこの問題に取り組むことはとても意義あることだと考えています。

NHCも小さな組織で活動予算もありませんが、釣り界だけに限らず、できる限り広い視野で活動の輪を広げていきたいと思います。

ワカサギ釣りの普及活動に続いて、アメリカナマズ釣り、テナガエビ釣り・・・。

「NHC事務局は何考えているんだ?」という方もおられるかもしれませんが、

これからの10年、「楽しみながら、もがきたい」ですね。(事務局 K)




<2>の『若年層の釣りファンを育てる環境作り』と、『外来魚に対する考え方』は、

また別の機会に紹介します。

2016年5月26日 14:36