日本ヘラブナクラブ

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2012年5月16日

ギンブナの不思議

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えっ、ギンブナはほとんどがメス?

メスの遺伝子情報だけで子孫繁栄。

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■「ほとんどメスなのにどうして繁殖するの?」という素朴な疑問

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 ←琵琶湖・千松で上がったヒワラ。 琵琶湖のヒワラはギンブナ、ということはヒワラはメスばかりということになります。

 

 

 

 

 

 

 

ギンブナには2倍体、3倍体、4倍体が自然界にいるそうです。染色体を2セット、3セット、 4セットを持っているということで、そのほとんどが3セットの3倍体(染色体数150)。そして、その3倍体の個体はメスばかりなのですが、 ちゃんと卵から仔魚が孵化するんですよね。

その繁殖のメカニズムは他の種の精子を利用する「雌性発生」です。「じゃ、 ギンブナってすべてがハーフなの?」と考えたくなりますが、答えは「No」です。他の種の精子を利用し、ギンブナ(♀)の遺伝子情報だけで繁殖するため、ギンブナの子どもは純血のギンブナなのです。 受精はするのですが、精子は卵の核と融合しないのです。受精した精子の役割は卵の核が分裂するためのキッカケ作りをするためだけなのです。

まぁ、誰がお父ちゃんなのかということは、ギンブナの子どもたちには関係ないということです。 ベラのように性転換する魚や、メバルやグッピーなどのように体内で孵化した仔魚を産み落とす卵胎生の魚がいることは広く知られていますが、 「雌性発生」の魚はあまり知られていないかもしれませんね。

ちなみに卵の染色体だけを壊して、精子の染色体から人工的に「雄性発生」することも可能です。

ただ、ギンブナのような3倍体・雌性発生で、2倍体、 4倍体もいるというのはこれまでの常識では起こりえないことなのに、身近にいるマブナの世界では普通に起きているんですよね。また、 ギンブナは他の種類のフナの交雑によって生まれた魚と記述している資料もありました。

ギンフナの常識は人間の非常識、 学者さんたちの間でも謎や疑問だらけのギンブナの世界は本当に不思議がいっぱいです。

以前にメスだけで増えていく魚がいるという話は聞いたことはありましたが、 それほど興味はありませんでした。でも、ヒワラ(琵琶湖のギンブナ) のことをあれこれネットで調べていたら、ついつい「ギンブナ」のことよりも「雌性発生」のことが気になり、 真夜中にネットサーフィンしてしまいました。

あ~、今日は眠たい。調べものの参考にさせていただいたサイトをリンクしておきますね。 アナタもギンブナの不思議な世界にハマってください。(事務局K)

<<<サイエンティストライブラリー・フナに学ぶ>>>

<<<宮城県水産試験場・染色体操作のしくみ>>>

<<<(独)国立環境研究所>>>

<<<ウィキペディア・ギンブナ>>>

<<<WEB魚類図鑑>>>

<<<目がテン! ライブラリー>>>

<<<水生生物センター>>>


■ヘラブナの三倍体&雌性発生を作ればアイベラはいなくなる?

先日、室生ダムで一緒に竿を出していた米野 守さんが釣り上げたヘラブナは精子をタレ流していました (お楽しみのところ邪魔したかな?)。ということはヘラブナは雌性発生ではないということです。

今の技術ではヘラブナの3倍体を作るのは簡単でしょうから、3倍体& 雌性発生のヘラブナを作ることができれば・・・、ヘラブナの子どもはヘラブナで、アイベラは存在しなくなります(素人考えですが・・・)。

昨年から大阪府の水生生物センター・サポートスタッフ(ボランティア)に登録していますが、 その水生生物センターは長年ヘラブナの研究を続けてきました。今はその研究は打ち切られましたが、いろいろ資料はあるそうです。今度、 水生生物センターへ行ったときには、「雌性発生」が人工的にできるかどうかを聞いてみたいなと思います。

でもな~、たかが釣りで生き物の染色体をイジってまで魚を増やすべきかどうなのか。 なんとなく神の領域のような気がします。もちろん自然界へ放つことは御法度ですが、 閉鎖水域の釣堀ならとても有効な手段だといえるかもしれません。遺伝子操作の是非・・・、これも答えを出すのが難しい問題ですね。 (事務局K)

2012年5月16日 13:37